松本大 マネックス証券社長 
「逆風でもヨットは目的の方向に進むことができるんです」「100年に一度の金融危機など、まったくの嘘」を読み考えたこと

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松本大 マネックス証券社長 
「逆風でもヨットは目的の方向に進むことができるんです」「100年に一度の金融危機など、まったくの嘘」

この記事では松本大(まつもとおおき)マネックス証券社長へインタビューし、それを元に書いている。記事を読んで思ったことを書いておきたい。

松本大氏のサブプライム、リーマンショックに関連する経済危機の見方については賛同する。

それは、経済が安定したことで儲けられなくなったウォール街の投資家たちがレバレッジをかけて危険な勝負をしていたというもの。その危険な勝負はいずれ失敗するときが来る。その失敗が今回の経済危機だ。
投資会社に務めているトレーダーは莫大なお金を一人で処理をする。そして、自分がそのお金を使い利益を上げれば自らの給料が上がるわけだ。例えば100億円儲ければ10億円は給料が出るだろう。けれどトレーダーは失敗して損益を出したとしても最悪首になるだけ。だから、危険な賭けに出るようになるのだ。

次の事柄。彼は文中でこのように述べた。

僕がいま、この大きな変化の中で最も感じているのは、日本語の限界ということです。

 結果的に戦略的といえば戦略的ですが、そうした理由から外資系に就職しただけなのです。ただ、ちょっと格好付けすぎに聞こえるかもしれませんが、日本人であることや、日本的な考え方ややり方には自信がありました。

 伝えられるものに価値があれば、言葉は稚拙でもなんとかなるはずだという、そこはかとない安心感があったんです。これもまあ不遜と言えばかなり不遜ですね(笑)」

日本経済が過去の栄光を引きずっていることは事実だろう。このままでは中国、インドに抜かれ経済大国から転落することは目に見えている。
ただ、それと文中で触れられた日本語とは関係ない。日本語で学んだからそのような考え方になったのではないからだ。「伝えられるものに価値があれば、言葉は稚拙でもなんとかなるはずだ」という彼の言葉から日本語にマイナスのイメージをかれは持っているようだが、それは間違いだ。

意味のないことをペラペラと話す日本人は何の存在価値を持たない。ただ、頭の悪いヤツだと外人に思われるだけだ。所詮言葉はツールでしかない。話すためにインプットされた情報が少なければ価値のあることは話すことができない。個人の感性、文化を作り上げるものとして日本語は英語に劣ってはいない。

私がいいたいことは、日本語は他の外国語にも負けない有意義な物であるということだ。そこに蓄積された情報は日本人の素晴らしい文化を作り出している。英語を学ぶことは大事なことであるが、日本語を通して学んだもの、例えば文学、詩、考え方、その方が遥かに重要なものなのだ。

言葉は文化によって作られる。これからも日本語を守っていかなければならない。決して英語に負け、全ての授業を英語でやるとかいうとんでもない考えをおこさせないために。