発色剤について

1 発色剤とは

まずはじめに発色剤とは何かということを定義しておく必要がある。発色剤とは食品衛生法で定められた食品添加物の一種である。効果としては使用した食べ物が本来持っている色素を鮮やかにしたり、変色しないようにすることがあげられる。

例を挙げると、ソーセージやハム、いくらやタラコなどに使われている。ソーセージなどの肉にはミオグロビンという色素で出来ているが、古くなるとだんだんと黒ずんでくる。なぜなら、ミオグロビンは酸素と結びつくことにより綺麗な赤色になるがこの結合は不安定なものであるからだ。不安定な酸素に変わって結合するものそれが発色剤だ。


2 発色剤の具体例
一般的に使われる発色剤として亜硝酸ナトリウム硝酸ナトリウム硝酸カリウムの三種類がある。

亜硝酸ナトリウム( NaNO2 )
昔から使われてきた代表的な発色剤である。亜硝酸自体は自然界においても作られることがあるが、その毒性は添加物としてはかなり強い。もちろんすぐに害になる量を使っているわけではないが、問題点としてタンパク質に含まれるアミン類と反応して発がん性が高いといわれているニトロソアミン体に変化することである。ただ、ニトロソアミンの発がん性は実証されていない。亜硝酸ナトリウムの効能としては、食中毒菌であるボツリヌス菌の発生をふせぐという役割もある。

硝酸ナトリウム( NaNO3 )
硝酸のナトリウム塩である。血液中の酸素濃度を増加させるため体にはいいとされているが、副作用として発がん性があるといわれている。
 
まとめ

よく口にすることの多い食べ物で、化学物質が使われていることに驚いた。だが、これらの食品は発色剤が入っていることが前提で作られている。
含まれる化学物質は、一日に摂取していい量がJECFA(国連食糧農業機関と世界保健機関の合同食品添加物専門家会議)によって各国に提供され、その範囲内で使われるように制限されている。
無添加の食べ物は店頭に並べられたとき色が悪く割高になってしまうため、仕方のないことだと個人的には思っている。いずれにしろ多くの人は知らない事実だ。

参考文献

発色剤-Wikipedia
食品添加物-Yahoo百科事典