ソーシャルリーディングとは、そしてその未来においての推測

マガジン航の記事にこんな記事があった。

ソーシャルリーディングは電子書籍の夢をみるか
http://www.dotbook.jp/magazine-k/2010/08/14/do_ebook_dream_of_social_reading/

この記事で言われているソーシャルリーディングを直訳的に訳すとソーシャルは社会のリーディングは本を読むことつまり読書となり意味がわからなくなってしまうが、ニュアンス的にはみんなで読書体験を共有して役に立てていこうというものらしい。

紹介されているものとしてはKindleの他のユーザーが引いたアンダーラインを見ることができる機能や私も使っている読書メーターなどがある。読書メーターは読んだ本をグラフにして視覚的に表示してくれる機能があるが、ソーシャルリーディング的に重要なのはそこではない。
それは、他のユーザーがよく読んでいる本を調べられることや、読んだ感想、コメントを閲覧できることだ。本当に役に立つ、面白い本であるかどうか調べられるので自分ひとりではなくみんながおすすめした本であるからという気分で読むことができる。
いわば、一体感のようなものが生まれる。他者のために読んだ感想を書く事は助け合いとも言えるだろう。

この方式の弱点としてはコメントが付くのは一部の本に限られてしまう(コメントを書くユーザー数が少ないから)、意図的に評価を下げようとする人が出るなどあげられる。だがそういうことをひっくるめても面白い取り組みであると思う。今後も継続的に続けてサービスを改良して欲しい。

私が今おすすめするのはメディアマーカーだ。このサービスにはレコメンド機能があり、おすすめの本を教えてくれる。この機能はなかなか役に立ち、これがきっかけで何冊か既に本を買っているほどだ。

本文ではこれらのサービスの後ニコニコ動画のコメントに触れている。知っている方も多いだろうがニコニコ動画にアップロードされている動画にはコメントが付けられる。そのコメントは動画の中を流れているので否が応にも目に入って来る。
このニコニコ動画のコメントと前述の読書サービスサイトのコメントが似ていると書いてある。そして同じようにコミュニティーを持っているのだと。

この記事の結論として以下のことを言いたかったのだろう。
ソーシャルリーディングは電子書籍にはとどまらないものだ。その可能性はさらに大きなものなのである。
紙の本でも同じようにソーシャルリーディングを作ることができる。例えば、ネット上で活発に本についてのコミュニティを作り、それによりその本たちに注目を集めることができるなどである。
ソーシャルリーディングはこの世界に存在する全ての書籍に対して重要なものであると言える。


いかがだっただろうか。記事本文は脱線が多くて分かりづらいが、言いたいことは上記の通り明確だ。この意見に対しては概ね同意だが、一方で懸念すべきところもある。
全ての書籍に対してこのようなコミュニティができるかということである。日本だけを見ても多くの本が発行されるがその大半は発行部数10000冊以下の本たちである。それらの本はおそらくたいして人気がでず、コミュニティーなどできるよしもなく埋もれていくだろう。
よって、人気のある本は今まで通り積極的に読者の間で情報交換がなされていくがそれら以外の本は今まで通り変わらないだろう。
つまり二極化が進むのではないかと私は思う。人気のあるものとそうでないものの二つにだ。

だからそれほどコミュニティーというソーシャルリーディングは進まないだろうと推測している。皆様はどう思うだろうか。コメントはいつでもお待ちしている。