現代物における方向音痴キャラクターの難しさ

キャラ付けするために用いられる技能や特徴は時代を経て多様化されてきた。性格的なところで言えば、ツンデレとかヤンデレとかがあるし、生い立ちで言えば、お嬢様、幼なじみ、妹、生き別れの家族みたいにいくつも思い当たる。これらは、通常物語を作る段階で、キャラ表を作るにあたって、ストーリーやバランスを考えてキャラクターに付与されるのが当たり前である。

そんなキャラ付けのための属性としてかつては方向音痴というものがある。ヒロインが道に迷うことで登場人物同士の思いがけない出会いを生んだりすることができる。

しかしながら今現在を背景として現代物を書こうとすると方向音痴キャラクターは出しにくい。なぜならば今はスマートフォンがあるからである。スマートフォンには通常地図アプリがあり、現在地を表示し目的地を選択することで、ルートが検索できる。これにより、目的地さえ分かっていれば迷うことはほとんどない。よって方向音痴のキャラクターを出すのは難しくなった。

目的地が分かっていない場合でさえも、短いキーワードと地名で検索すればまず間違いなく目的地を見つけることができる。さらに難易度が上がる。なので、方向音痴というか道に迷いまくる系のキャラクターを出すとしたら別に束縛条件を加える必要があるのだ。

たとえば、そもそも電子機器の使い方に慣れていない。ハヤテのごとく!鷺ノ宮伊澄がこのパターン.もう一つは目的地が自分ぐらいしか知っておらず,またその記憶も非常に断片的である場合.Kanon月宮あゆは多分これ.後は,現代であっても地図がない場所,地図が間違っている,電子機器が物理的に使えないか持っていないなどがあるだろう.

方向音痴は地図が読めないのもそうだが,目的地がわかっても行き方が分からない場合がよくあって,スマートフォンが普及したから道に迷いにくくなったというよりも,WEB地図サービスが普及してなおかつルート検索機能が実装されたからといったほうが正しい.

方向音痴キャラクターは現代物において出しにくくなり,激減したように思える.なんでこんなことを思ったのかというとフライングウイッチの主人公が方向音痴なんだけど,現代物なのだから携帯で検索しろと思ったからだ.同様に料理下手も多少下手くらいのキャラは,クックパッド見ればで消え,性質的に料理ができないぐらいの極端なキャラクター (料理本に絶対に従いたくない,自分が一番正しい,舌がいかれている) かあるいはより具体的なキャラ付け,例えば少々味付けがおかしいみたいな感じにシフトしていくのではと考えている.