小説は人によって作り上げる過程が大きく違う。例をあげるならば商業作家であっても、プロットを書く人と書かない人がいる。
念密なプロットを練りあげてから小説を書き始める人や目の前に置かれた白紙の画面だけで書き上げる人まで様々だ。
私が知っている中で言えば、森博嗣氏はプロットを書かないそうだ。まさに無の状態からあれだけの多作を作り上げられるのだからさすがとしかいいようがない。
おそらく、彼はアイデアを頭の中でまとめ、設定を整理して覚えておく能力が優れているのだろう。
一方、プロットを作り、設定を完全に作り上げてから小説を書き始める人もいる。その場合、展開を最初から考えていることで最後まで一定のペースを保ち書き上げられると思う。それに比べて何も無いところから書き始めた場合、最後まで破綻なく作品を完結させることは非常に難しい。
また、複雑な物語を作るときはこちらの方法が優れている。より長編になればなるほどプロットを用意したほうがいいだろう。
さて、最後に私の場合を書いておこう。参考になるかは疑問が残るが。
まず、登場人物の設定と世界設定は概ね書き出しておいている。ただ、すべてをきっちり決めずにある程度の幅を持たせている。
そのほうが物語を作る上で発展的な内容を加えることができるからだ。
一方プロットを書くとはあまりしない。なぜだって、それはプロットが面白くてもそれにとらわれると結局面白さが半減するからだ。
それならば作らない方がましだ。
漫画でいうところの、ネームは面白いのにペン入れしたらつまらなくなったみたいなものである。
僕の場合、付け加えるならばプロットを作ったことで満足してしまうことも多いからだ。それで安心してしまい、結局書かずじまいだったことがなんどもある。
だから僕はプロットは書かない。
代わりに使っているのが、小さな章をたくさん作ることである。良い物語の流れは起承転結で成り立っているが、さらに分解すれば各項目の中にも無数の章が沢山ある。
それらを書き出していることで、大まかな展開を考えだしておくのだ。この曖昧さが僕にとっては心地良い。
例えば
第一章 旅立ち
第2章 出会い
第3章 誰々との過去
みたいな感じである。言ってしまえば目次みたいなものだ。
こんな方法で僕は小説を書いている。みなさんはどうだろうか。