BOOKSCANについて

本を送るとスキャンして電子書籍化してくれる「BOOKSCAN」の裏側を見せてもらいました - GIGAZINE

この記事を見ていて強くBOOKSCAN社の若者たちのやる気を感じた。社長のちょっとした考えついたアイデアからここまでの事業を作り上げる行動力に賛美を送りたい。
しかし、電子書籍のために本を傷つけるのは僕は嫌いだ。普及品として作られたものには、固有の文化としての芸術性が損なわれているという事から傷つけることをいとわない人はいるだろうが、ぼくはおすすめしたくはない。
なぜなら普及品という印刷物に過ぎない本だったとしてもそこには編集者や装丁者たちの心と技術がこもっているからだ。本は単なるデータではない。本を開いたときにそれを感じ取って欲しい。
帯の位置から表紙、紙。そして文字の種類まで全てが高度な技術の集約によってできているのだ。本は作家だけではなく彼らとの合同物であると言ってもいいものなのだ。
だからそれを見る機会を失わせる電子書籍はおすすめできない。

もしもそれでも電子書籍がいいというならばはじめからデータで買って欲しい。DTPの美しさなどはそれでも感じ取れるだろう。表紙や紙の手触りについて感じる事は不可能だが、そちらの方がまだ僕としては心が痛まない。
僕に許しをこう必要などまったくないが(笑)。