薄片を作るのが嫌い

薄片という物がある.

薄片とは,岩石をチップ(プレパラートに貼れる大きさへカットしたもの)にして,スライドガラスに貼り付けて削り,極限まで薄くした物である.薄くすることで光を通すようになり,偏光顕微鏡等で観察することが出来る.

しかしこれを作るのがめんどくさい.そして私にとっては苦痛だ.

まずチップにするまでがめんどくさい.取ってきた岩石をホルダーに止めて,大型のカッターで切り出す.そしてそれを小型カッターで再び切る必要がある.大型カッターは騒音がひどく,その音を聞くだけでやる気がなくなる.そしてホルダーに止めるのもいちいち木を挟んだりして綿密にやる必要がある.

この片付けがまためんどくさい.岩屑を水で洗い流し,ぞうきんで拭いて,水気を飛ばす必要がある.最速でも20分ぐらいかかるのだ.それだけで嫌になる.私は片付けが一番嫌いだ.

そしてそのチップをスライドガラスに貼り付けるためには100, 200, 400, 800, 1000, 1500と目の違う粉をグラインダー使っていちいちチップを磨く必要がある.そしてそのあと,ホットプレートで乾燥させなければならない.

とにかくすぐに完成しないのだ.何をするにも数時間がかりだ.

スライドガラスに貼り付けたあと,また同過程を経て今度は薄くする.これも非常に苦手だ.必ず均等に薄くできない.するとどんどん見られる部分が削られて消えていく.

悩ましい.

あと,出来た薄片にカバーガラスをかけるのもきれいにできない.

といったように,時間はかかるし,疲れる.そして不器用.嫌いだ.しかし,やらなければ.