簡易な岩石の偏光大型薄片写真撮影法

岩石の組織や構成鉱物を詳細に検討するとき通常の手段として薄片を作るというものがある.

これは地質屋ならば誰でも取得している技術である.薄片は岩石を板状にし,スライドガラスに貼り付け,ガラスとは反対側の面を削り光を通す厚さにまで薄くしたものである.

薄片を観察するとき偏光顕微鏡を用いるのが普通であるが,最低倍率でも20倍ほどあり,一度に観察または撮影できる範囲が極めて狭い.そのため広い範囲を観察し写真を撮る上では別の方法が必要になる.さらに通常の薄片サイズ,48 mm×28 mmを超える大型薄片のサイズ,80 mm×50 mmではさらに顕微鏡を用いる方法では困難が生じる.

この記事では簡易な偏光大型薄片写真撮影法を提案する.

用意するもの

  • 偏光板二枚 10 cm×10cm
  • iPhone
  • カメラ 
  • 三脚
  • あれば反射しないガラス板

まずiPhoneの輝度を最高にして,写真アプリから白背景を開きます.iPhone6sサイズの背景を置いておく.

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次に偏光板をその上に一枚置きます.

その上に薄片を置きます.

薄片の上に偏光板をクロスの位置で置きます.

硝子板を上に置きます.

三脚にカメラを取り付けて上から撮影します.

補足

カメラは一眼レフにマクロレンズをつけ撮影すると良いが,ない場合はコンパクトデジカメでも良い.一眼レフを用いたネガやフィルムのデジタル化の例と同様に 薄片とカメラの間の隙間に,フード (例えば黒の色紙で作った筒) を付けると良いかもしれない.多分そうするとガラスへの映り込みがなくなるのではないか.

Nikon スライドコピーアダプター ES-1

Nikon スライドコピーアダプター ES-1

Nikon スライドコピーアダプターES-1 でフィルムをデジタル化する - 酔人日月抄

偏光薄片写真には,透過型に対応したフラッドベッドスキャナを使う方法があるが,こちらの方法だと解像度や撮影時間の問題がありそうである.

この記事の方法では,薄片撮影のためのバックライトとしてライトボックスあるいはトレース台を買わずともiPhoneなどの液晶を流用すれば良いと提案した.