review論考 公開027 リークが孕む問題系/塚越健司(#co_article028)を読んだ!!

.reviewより元記事の紹介
リークが孕む問題系/塚越健司(#co_article028)
今日は.reviewより論考の紹介及び考えたことを書きたい。
著者はこの論考の中でリーク(leak)について説明している。「リーク」には漏れる、漏らすという意味があり、そこから情報が流出するという
ことを表している。
まず、日本の「リーク」の状態について書いている。日本では企業の相次ぐ不祥事を受けて2006年に「公益通報者保護法」が施行された。内閣府のデータによると公益通報は2008年のデータで5000件を超え2009年度も5000件を維持しているということだ。

私は、それだけの数の不祥事が存在したことを知り驚いた。もし、これが公にならなければ、どれだけ多くの被害を私たちはうけただろうか。日本でも悪いことはバレなければやっていいという考え方が蔓延していることに悲しくなった。

続いて日本の事例を紹介している。その例とは「ミートホープ事件」だ。
ミートホープ」は会社ぐるみで食肉にパンの切れ端をまぜ容量をかさ増しして販売するなどの悪質な行為を行っていた。
その事実は永遠に明らかにならない可能性もあったが「ミートホープ」の常務であった赤羽氏によって情報が公機関をはじめ報道各社に送られ、最終的には「ミートホープ」工場長の発言も手伝い朝日新聞からこの偽装が記事となった。
このリークは大成功だったといえるが、私は、「情報を受け取ったとき保健所、役所がこれを人員がなく被害届も出ていないという理由から無視したこと」は大いに問題だと思う。日本の組織の欠点が大いに浮き彫りになった事件だった。

さて本筋に戻ろう。著者は、情報を「リーク」した赤羽氏が被った被害について触れている。

1、自分のリークが元で結果的に会社が倒産してしまった。
2、従業員の多くには赤羽氏は恨みを買った。
3、当然元取引先の人間からも「裏切り者、自分も不正に加担していたくせに」とクレームが寄せられる
4、裏切り者というイメージは、近隣住民の白い目た、家族・親族からの
苦情に拍車を掛ける。結局赤羽氏は、2010年2月現在に到るまでうつ病を患うこととなったと告白している。

日本社会の未熟さが露呈している。まったくだから日本人はだめなのだと強く思われる。いかに、日本人の意識に密告ということが刻まれていなかったからといって勇気を振り絞った人を攻撃するなんてばかなことをする。
1、2については、会社は潰れて当然。消費者を裏切る行為を分かっていてやっていた従業員は全員逮捕されてもいいくらいだ。従業員は赤羽氏に感謝するべきなのだ。やっとこれで罪を侵さなくてもよくなったのだから。
3についてなぜ勇気を振り絞った人間に関してそんなことを言うのか理解不能だ。罪を犯したことは反省してしかるべきだが情報をリークした事実の方が100倍価値がある。私は彼を尊敬している。彼をせめるのは筋違いだ。
4について、3と同様。またやりなおせばいいはずなのにいつまでも過去に執着する日本人のくだらない特性が出ている。未来を見通す目をだれももっていないのだろう。

次は外国の例について触れている。外国にはWikileaksというサイトがある。

ここでは,ネット上のサイトに120万もの内部告発情報が記録されている。だが、書かれた情報は審査されるので信頼性は高い。載せられる情報は国家機密に当たるものもある。

このサイトの弱点は前述の審査過程が公表されていないことだ。特定の情報を載せなければ情報操作をすることも可能だからである。

以上がリークについてこの論考からわかったことだった。
wikileaksが日本語にも対応する日は来るのだろうか。べつに日本の情報について載せられていたのなら日本語でなくても構わないわけなのだが。

日本社会が情報のリークを文化的に受け入れられる日はまだ遠いと個人的には考えている。アメリカ人のようなわり切った考え方はなかなか身につかないものだからである。
しかし、いつの日かそれが当然のものとして考える日が来ることを確信している。世代が変わり悪しき文化はいつか滅びるのだ。