絶版になったライトノベルの活用法について

ライトノベルは出版社を移動しての再販は難しいというTwitterのまとめを読んだ。

ライトノベルでは出版社を移動しての再販はまずあり得ない - Togetter

前半は神野オキナ先生とゆうき まさみ先生の会話を通してライトノベルの再販の難しさについて話題になっている。後半は、再販されたライトノベルについての例が挙げられている。名作と呼ばれるライトノベルは別レーベルで再販されることもあるようだが、少ないのは事実である。

再販は以前に売られていたものを再び売り出すことを指すので平行して売られている戯言シリーズGosickなどは厳密には当てはまらない。言うなれば文庫落ちのような扱いだ。また、本屋に並んでいなくても出版社が権利を保持している場合は絶版ではなく、品切重版未定という扱いなる。

おそらく多くのライトノベルがこの状態にある。品切重版未定ならば、もしも話題になって需要になった時いつでも刷って売ることが出来るからだ。ヒットした作家の過去の作品が注目されたり映画化などでスポットが浴びたときはこの状態のほうが余計な手間もなく出版社にとっては有益である。


再販の難しいライトノベル、絶版してしまったときその作品をどうすればお金に変え、しいては読者に読む機会を与えられるのだろうか。そのアイデアを提案したい。

まず、ネット上に電子書籍の形で無料で公開するというアイデア、漫画では赤松健先生がJコミというサイトを作り、自身の作品や載せてもらいたい漫画家、作家と契約して公開している。読者は無料で読むことができる。利益モデルとしてはウェブページに貼ってある広告と作品内に埋め込んである広告収入であり、後者は作者に全額お金がいくそうだ。
ライトノベルは現在5作品しか公開されていないが、面白い取り組みだと思う。再販するよりも低コスト低リスクであるからだ。また、電子書籍は流通コストがないのに高かったが、広告による収益の確保であるので、読者は無料で読むことができる。そのため読者も多くなる。事実、三田誠のスプラッシュは有名作品でないにもかかわらず、一巻が8000PV超えを達成している。
有料版の18禁作品を扱うJコミ・プレミアムも10月からオープンする。ただ、広告の不足から広告が埋め込まれたPDFの配布が止まっている。そのため、海賊版を減らすという目的がうまくいっていない。これについては広告を一枚にしたPDFを作ることで解決しようとしている。

次は、有料で電子書籍として出す方法。パブーなどでは誰でも電子書籍を出すことができる。今出版社が音頭をとってやっているサービスでは人気作以外載せてもらえないだろう。だが、これらのサイトでは絶版になってしまったライトノベルでも簡単に売り出すことができる。ネックは宣伝しないと数多の本の中に埋もれていくということだ。
Kindle Storeが日本に上陸さえすれば半永久的に売り出すことができるので絶版ということすらなくなる。アメリカなどを見るに、おそらく紙の本は売れなくなるだろう。その分だけ電子書籍がデフォルトのものへと変化していくに違いない。

最後に、絶版ライトノベルを集めた雑誌を作るというアイデア。これは、電子版と書籍版のどちらでもいい。前者ならコストが抑えられるという利点があるし、どうせ再販しないからデータで持っていてもらえばいい。新たに原稿を書く必要がないので原稿料も抑えられる。手間が少なく収益があげられるいい方法なような気がする。ただ、売れるかどうかは謎だ。

以上、3つのアイデアについて書いた。なにかいいアイデアがあったらはてブやコメントで教えてね。