謝るべきか否か

世の中には、嘘をつかないで相手を誤解させるテクニックがある。相手が誤解しているのにも関わらず、それを否定しない。勝手に間違った解釈をするというのは嘘をついて起きた事象と同じ効果があったとしても、嘘をついていることにはならない。
これは、魔法使いにおいてよく使われた手法である。魔法使いは嘘をつくことができないというのは有名な話だ。もしも嘘をつくと、一般的には魔法の力が失われるとされる。この手法を用いることで嘘をつかずに相手に誤解させることができる。魔法使いの皆様は試して欲しい。参考文献として「サークル・オブ・マジック」をあげておこう。

それで本題だが、某所で書いた話の補足をする。
2chから一部分を転載をして記事として、それが誤報と判明した時、謝罪する必要があるかという話 - Togetter

2ちゃんねるから一部を転載したとしよう。そしてそれが誤報だと判明した時、訂正したり謝罪したりする必要があるかという話の続きである。まとめサイトの管理人が記事にし、それを読んだ読者は誤った情報を信じるだろう。そして、その間違った情報がツイッターなどのSNSを通じて更に拡散する。
後から間違っていたことが分かった時には、誤った情報がすでに共有されているだろう。
この場合、誤った情報を拡散した人間と2ちゃんねるを情報源として記事を作った人間に対して、訂正し謝罪する道義的責任が生まれると普通は考えられる。人として、混乱を生んだのが事実である以上他者から責められれば、非を認めるだろう。

しかし、ある特定の状況に限ればどうだろうか。
例えば虚構新聞の場合、読み手は記事を読み進めるわけだが、だんだんとあれおかしなことが書いてあるなと思い、最後にサイト名を見て騙されたというパターンが理想的である。実際は、RSS登録したりブックマークして、はじめから嘘だと知りながら読む読者が多いだろうけど。
その時、多分一定数は本当に誤解して、その情報をばらまくだろう。
こうした場合、騙されたほうが悪いだろうけれど、虚構新聞側を責める人もいるに違いない。それに対して謝罪する必要はあるのだろうか。ジョークも理解できない人間のために、いちいちそうしたことをする必要はないように思える。

同じように、2ちゃんねるからの転載として明記しているにもかかわらず、真に受けて盲目的に信じる人は愚かであるといえよう。そして、間違った情報が伝播されていく。しかし、2ちゃんねると明記されている以上、虚構新聞と同じように嘘かもしれないという認識のもとで読むべきである。それを怠り、騙された人間がいる。それに対して謝らなければならないのだろうか。
普通は、誤解した人数が多ければ多いほど、反感の声が上がり、結果として謝罪に追い込まれる。誤解させる意図はなかったにも関わらずだ。

また、タイトルに?を付けて未確認としていた場合はどうすべきなのか。不明だという意思表示がなされた以上、間違っていても致し方がないわけである。



そんなひねくれたことを考えていたわけで。2ちゃんねる=?の意味という共通認識があるかもしれないし。普通は、謝るんだろう。なんかまとまりに欠ける話になった。