【小説家になろう作品】書籍版からWEB版を読むようになり書籍版を買わなくなる件

小説家になろう作品の書籍化

WEB小説投稿サイト最大手「小説家になろう」から多くの作品が書籍化している.そのなかでも特に人気の作品はアニメ化やコミカライズが行われ,その効果によりさらに多くの読者を獲得している.

私は「小説家になろう」での連載を読むことなしに,書籍化した方から読み始めることが多い.これは,書籍版のほうが誤字脱字が修正されている,展開がより読みやすくストーリーの矛盾がないように変更されている,電子版であればセールで安く買うことができる,イラストがあるという四点による.

ただ,最初は書籍版を読んでいたもののいつのまにかWEB版を読むようになり,結果として書籍版を買わなくなることがよくある.この原因は,以下のとおりである.

書籍版を買わなくなる理由

1,書籍版最新巻に追いついた時点で,WEB版へと移行する.

ストックがあると言えど,イラストや校閲の都合で毎月新刊が出ることはまずない.待ちきれずにWEB版を読み始めると,満足してしまう.お金を払わなくても,常に最新のエピソードが読めるので,買う意欲が薄れる.

2,電子版セールで買うと,あるところで割引額が少なくなるのでそこで買うのをやめる.

電子版だと始めの方はセールで安くなることが多いものの,あるところからはそれがなくなるので買うのを躊躇する.そのタイミングでWEB版へ移行する.

3,書籍版が高い.

「小説家になろう」作品の書籍版はソフトカバーの場合1300円程度で,かなり高額.

4,書籍版とWEB版で内容がほとんど変わらない.

「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」みたいに,WEB版と書籍版に大きな差異があるときは気になって買うが,同じ内容だとWEBで読めばいいと思ってしまう.

それでも継続的に書籍版を買ってもらうには?

4つの原因から私は小説家になろうの書籍版を買わなくなることがある.1つ目の原因の解消は,刊行頻度を密かつ一定にすること実現できる.2と3の原因は相互に関係しているが,これの解消策は思いつかない.なぜならセールは不意打ちでやるから意味があり,あくまでも購買意欲を高めるためのものであるからだ.4つ目の原因について,これを解消するためにWEB版から変更が多すると元のWEB版の良さがなくなるなどの副作用が生まれる可能性があるので難しい.

一番良いのは,書籍版に書き下ろしなどの特典をつけることで,これはかなりの効果がある.本編の内容に手を加えることなく,店舗特典のような効果が期待できる.

おわりに

人によってはWEBで読むのが辛いという人がいるので,そういうひとは書籍版を買い続けるに違いない.ただ,電子書籍版だとその境界はおぼろげになるので,電子書籍ユーザーはWEB版への移行に支障はないはずである.

WEB版のファンのひとが書籍化した作品をお布施の意味で買うことがよくあり,だからこそWEB小説の書籍版の一定の売上の高さに繋がっている.一方で,巻数が続いていっても買い続けるのか気になる.

最近,ラノベインターネットコミュニティの衰退によって,どれくらい作品が売れているのかについて受動的であると情報が入りづらくなった.コミカライズやアニメ化されていない書籍版の売上がどの程度巻数を重ねると変化していくかについて能動的に調査する必要がある.

デスマーチからはじまる異世界狂想曲(1) (ドラゴンコミックスエイジ)

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