人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)
花粉分析,水月湖の年縞で有名な中川毅先生の新書.相変わらず時を刻む湖と同様に読みやすい.
時を刻む湖?7万枚の地層に挑んだ科学者たち (岩波科学ライブラリー)
気候変動についての基本,水月湖の年縞などから復元した最近の気候について書いてある.
花粉からどの植物の属であるかを認識して,その比率などを現在のデータと対比することでより詳細な平均気温などを復元するモダンアナログ法を開発したのはすごい.花粉分析を使うことで,より最近の人類による影響を検討することができるのは基本的な手法でありながら,大きな可能性を感じる.
堆積岩石学だと,同様の可能性のある手法がGazzi-Dickinson methodである.単純な砂岩組成のデータがテクトニクス場の復元に役に立つ訳である.
複雑な分析機器を使わなくてもやれることを自分も平行して模索していきたい.
電子地形図へアクセスし,定型図郭版を選択すると,地形図の名前が表示される.
2つの年代が誤差内で一致しているか?
#例 a = 50, 80とb = 60, 55, 80 a = 50 b = 43 aeroor =5 beroor = 2 if a <= b then puts "a <= bの時" if (aeroor + beroor) - (b - a) >= 0 then puts "aとbは誤差内で一致する" else puts "aとbは誤差内で一致しない" end else # a > b then puts "a > bの時" if (aeroor + beroor) - (a - b) >= 0 then puts "aとbは誤差内で一致する" else puts "aとbは誤差内で一致しない" end end
とまあ一年ぶりに書いたrubyだと大して問題はないんだが,これをexcelでやろうとするとどうするんだろうか.aとかbのところをハッシュかなにかで置換するのが実際にやるとしたらの場合.
つい先日まで見かけていた鈴木先生がなくなった.私の父親もそうだったが,死というのは誰にでも平等に起きる物だと実感した.それで鈴木さん関係の追悼文を見ていたりしたのだが,Youtubeにずいぶん昔のドキュメンタリーが上がっていた.
試料作りから年代測定まで1日あれば年代測定まで持って行けると話されていた.
ジルコンU-Pb年代測定の場合どのくらいあれば年代測定まで持って行けるのか少し考えてみたい.ただし目の前に石があるとする.
前提条件 あくまでも最速を検討し,普通にやるべきプロセスを削除している.ジルコン年代分析対象は花崗岩とし,分析ジルコン個数は50個とする.
1 2時間 石からダイヤモンドカッター等で風化部を除去し,スラブにする.
2 8時間 オーブンで乾燥させる.
3 2時間 砕く.
4 1時間 水ひとパンニング.
5 2時間 ジルコンを埋め込み熱して固める.
6 2時間 磨いて断面を出す.
7 1時間 CL撮影.1時間に20枚撮影するとして,一枚の視野に3から2個ずつ撮る.
8 2時間 LA-ICP-MSで分析.立ち上げは他の人がやっているとして20分でアンノーン9個だとすると,2時間.
9 2時間 データ解析.
総計22時間.年代測定までは18時間かかっている.一日で分析を終えることができた.
ジルコン含有率が低い岩石,安山岩質の岩石などでは砕く量が増えるので粉砕に+2時間,パンニングに+2時間,磁気分離や重液分離に+4時間程度を見積もっていた方がよい.
オーブンの乾燥時間はスラブの厚さを薄くすることで短縮できる.厚さが5mm程度ならば120度で3時間程度で乾燥できるのではないだろうか.
現実問題として急いでやるとたいてい良くないことが起きるので,急がない方がよい.
100サンプル分析するとして,分析ジルコン個数を2倍にして,現実的な解析時間を入れるとすると一年仕事になりそうだ.
超低粘度
熱すると柔らかくなるのでHPとかオーブンで加熱しない方がいい.たぶん80度でもきつい.
一晩あれば固まる.硬化剤と主剤をとてもよくかき混ぜないと固まらない.
温めない方がよさそうなので固めたものをくっつけるときは,常温型の接着剤を使った方が良さそう.ボンドEとか.
ボンドEは多少加熱しても大丈夫130度とかなので,高速で固めたいときはようしゃなく熱する.それはペトロポキシも同じ.
ペトロポキシは加熱すると粘性が低くなるのだが,そのせいでクラックに弱い.なぜかというとクラックに入っていた気泡が熱すると出てくる.かといって熱しないとすぐには固まらない.
二つのモード組成測定法について詳細に記述した日本語の本としては初ではないだろうか.
欲を言えば,岩片のカラー写真や副成分鉱物の写真がもっとあるとカウントする上で教科書的に使えたかもしれないが,ページ数やコストの兼ね合い,本の趣旨的には妥当な判断だろうか.つまりほかに英語の良い教科書ないし論文があるからであるが,しかしながら,読者の立場としては電子書籍で図のカラー版を出してほしいところだ.
砂岩,ないし礫組成がメインのトピックであるので,堆積岩石学の中でも比較的最近の成果である砕屑性重鉱物の比や化学組成については記述が少ない (重鉱物比や化学組成についてはMortonやTakeuchiの論文を読めという話ではある).また,最近日本でも普及しつつある砕屑性ジルコン年代については記述がない.次の重版の時にでも加筆してくれると,より充実するかもしれない.
昨日から絵でわかる日本列島の誕生を読んでいる.
だいたい初心者でも分かるだろうという内容なんだが,たまに難しいなあというように思う時がある.
地層累重の法則とか,単純ではあるが知らないと理解に苦しむかもしれない.整然層の話がでてくるとは少し驚きだった.
微高地である自然堤防上にできた孤立した集落群。
シルバーウィーク暇だったので長野県のとある場所にいって調査をしてこようとと思ったわけです。地図と一式用意してとりあえず飯田までバスに乗りました。名古屋飯田線、時間も二時間ちょっとと短いし便利です。着いたのはいつもどおりという感じで0時だったわけです。
その日は、どこに泊まろうかと考えていなかったわけではありません。ネカフェでいいのではと考えていました。そういうわけで、歩きました。
4km
いつものことです。途中で、店が見つからなくて途方に暮れたりしましたが、とりあえず朝まで休めました。
次の日朝から天竜峡の方へ向かいました。便数が少ないとは聞いていた飯田線。ほんとうに少ない。飯田駅とか伊那市駅とか大きな駅でも同様です。快速とか特急とかもう少し走らせればいいのにと思わなくもない。あれだと使う人が本当に限定されてしまっています。通学とかでも一本乗り遅れたら大変だろうな。
11時くらいから沢靴で沢に入りました。堰堤につぐ堰堤まあたらしい10mくらいの堰堤を端の80cmの段差上のブロックを10段くらい登ったときは、これ落ちたら死ぬなあという感じになりました。いつも思うのですが、よく地質屋、死なないなあと思います。一歩間違えたら死ぬようなところで、岩に手を掴んでよじ登るとか、木を掴んでバランスを取るとか、滝登りとかをザイル無し単独でしているのですから。
あるところで、ついに堰堤が超えられなくなり、迂回した先で事故にあったわけです。とりあえず道まで出ようと、斜面を登り、上まで登り切って、目の前は田んぼ。田んぼと斜面の端にきたわけです。そして悲劇は起こる。
田んぼの端っこの側溝に落ち、すねをコンクリートに強打。激痛が走る。
スパッツを履いていたので重症だと気が付かずにこの後もまた沢に戻って調査をしていたわけですが、、調査を終え駅に戻りふとズボンを見てみると血まみれ。慌ててズボンをのけると傷口が5mm*5mmほどえぐれて出血。ガーゼとばんそこうをはりとりあえず様子見してその場を切り抜けました。
後でホテルに行き、傷口を見てみるとガーゼが血まみれ。しかしだいたい血は止まっていました。傷口を水で洗い流してから、ガーゼ付きメッシュテープで覆い、次の日の予定を切り上げてさっさと帰ってきました。
一時は外科に行かなければと思ったほどでしたが、とりあえず血は止まったので様子をみたいと思います。