生徒会の八方 書評というほどでもなく感想

表紙は深夏の半裸だった。
そう来たかと思った。
いよいよ動き始めた物語。卒業に向けて刻一刻と生徒会メンバーといられる時間が減っていく。

前半はいつもどおりの日常、みんなで語って笑って幸せな時間が過ぎていく。しかし後半に入りテンポが変わる。
深夏があえて進めてこなかった鍵への感情が今回ついに好きという確信へと変わる。

流れはこんなところでいいと思う。枯野さんもいつもどおりの別枠で出てくるが特に話に現在の時に直接絡んではこない。飛鳥と鍵の会話の始終は読んでみて欲しい。私は彼らの終着点に納得した。

運命の卒業式に向かってたぶんヒロインが順に鍵へおちていくのだろう。だが、そこには決して矛盾は存在しない。なぜなら今まで杉崎鍵に対する各ヒロインの感情は語られてきたからだ。ごく自然なこととしてフィナレーに向かっていくことになると思う。

最後の卒業式まで見守りたい。感動の別れ、いや始まりを期待して巻を追っていこう。

書名 生徒会の八方
著者 葵 せきな
絵師 狗神 煌