4月から高年次に上がり、より専門的なことを地質科学科でも学ぶようになった。地球の歴史や鉱物の観察、偏光顕微鏡の使い方など覚えなければならないことがたくさんあり、勉強に追われる毎日だ。けれど、専門的な教育内容は自分にとって強い興味を引く物が多く、大変ではあるがいやではないというのが本当の気持ちだ。予習や授業の復習であっても自分が興味を持てることは苦にはならないのだと実感した。
そのような新しく始まった地質科学科の授業の中に地質調査法という物がある。この授業では昨年までの授業に比べてより実践的な内容が多くなっている。野外に出ることもはなはだ多く、まだ始業から一月もたってはいないのに既に二度実習に出かけている。
今まさにやっていることは、クリノメーター、方眼紙、分度器、定規、或いはプロトラクターなどを使ってルートマップを作ることである。ルートマップとは簡単に説明すると、野外に出かけて調査をすることを現地調査(フィールドワーク)というが、この時自分が歩いたコースについて地形図上か方眼紙上に記述していったものそれがルートマップと呼ばれる物である。現地では、実際の林道などからはみ出して道無き道をある行くことがよくある。そんなときは、自分が歩いた方向をクリノメーターで正確に測り、歩いた距離(自分の一歩の大きさで測る)と合わせて計算することでどこをどんな風なルート移動したかを記述することになる。
また、そのルートの途中で見つけた露頭の位置、大きさや設備(砂防ダムなど)、地層の様子なども合わせてルートマップ上に記述していく。その作業を効率よく、そして正確に測れるようになるために実地授業で特訓中なのである。
まだまだ未熟なことも多く、方位を測ることや地層の傾きなどを記述する速度も慣れが足りずまた正しい数値がとれないこともある。それでも、前回よりも今日というように明らかに上達していく様子が分かって励みになる。
さて、土曜日も塩尻市の洗馬というところに実習で行ってきたのだが、ひどい雨に降られて月曜日でも疲れは完全にとれていない。やはり雨の中の実習は普段とは勝手が違って上手くいかないことが多い。紙は雨に濡れれば破れ、水性ペン、鉛筆では上手く書くこともできない。最後までやりきったがいまいち調子に乗れない実習だった。実習自体は面白かったのだが、自分の未熟さ加減にいらいらしっぱなしだった。
そこで、上手くいかなかった原因の一つである道具を何とかしようとして買ってきたのがこれだ。
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発想は単純。防水ノートと耐水ペン。この二つ。多分これで大丈夫だろうと思う。あとは自分自身の精神力と技術の強化のみ。次の巡検も頑張ろう。