信州大学理学部地質科学科前期試験 小論文対策



地質科学科では前期試験に小論文が課されます。その配点は、1300点中の400点と少なくない配点です。よって、対策をしていくことは無駄ではないと思います。
今回は、その対策について書きます。自分自身、後期試験で入った人間ですので、小論文を受けてません。この記事を書くにあたって、同級生4人に話を聞いて来ました。この場を借りて、御礼申し上げます。


本題に入ります。
まず問題を見てみましょう。このページの地学科前期試験のところをクリックすると問題のPDfが開きます。


得点区分・出題意図・入試問題|信州大学 理学部


それによると、平成24年度が長野県の地震と活断層について、平成23年度が水資源について、平成22年度が富士山について、平成21年度がサンゴ礁について平成20年度が地震についてとなっています。


この問題を分析するに、題材は地質学全般についてだということが分かります。地学においては、天体などもありますがそれらは範囲に含まず、純粋に地質学について問うようになっています。


これは、信州大学地学部地質科学科の立場が関係していると思います。かつて、地質学を専門にする大学は岐路を迎えました。それは、惑星物理学(GPSや宇宙)などを抱合した地球惑星物理学と現場に即した地質学の2つです。


信大は、コース選択をできることによりどちらにも対応しています。3年時にコースを選択するわけですが、その時「地質科学基礎コース」と「応用地質科学コース」のどちらかに属することになります。

コースの選択|地質科学科|信州大学 理学部

前者は、必修が少なく自由単位が多いために他学科の授業を受けたり、自分の学びたいことについて自己選択することができます。後者は、必修が多く自由度が少なくなっています。そのかわり、公的機関であるJABEEによって認定を受けたプログラムであり、必要単位を満たし卒業することにより「修得技術者」の資格が与えられることになります。そして、申請によって「技術士補」の資格が与えられます。つまり、より地質の実務に即したコースとなっています。


さて、実際の所どちらのコースのが人気であるのかと言われると、それは一概には決められません。例年、どちらのコースが人気かどうかは変化します。応用のほうが圧倒的に人気がある年もあれば基礎のほうが人気がある年もあります。


それらを踏まえると、小論文の問題はより生活に即した地質学について強い興味を持ち、大学に入った後も学び続けられることができる学生を欲しいというスタンスであると推察されます。


本題に戻ります。聞いて来てきた4人の人を仮にAさんBさんCさんDさんとします。それぞれの人の対策について見ていきましょう。


Aさん
過去問を20年分くらいやった。その際、答えはないため高校の担当の教諭(地学の先生がおられなかったので、化学の先生)に添削してもらった。

【私見】
これが一番順当だと思います。過去問の分析は知識を深めるとともに傾向を探ることに繋がります。


Bさん
地学未履修。センター後に地学1を勉強して対応した。地学2は、読んだ程度でも役に立った。


Cさん
特に小論文について勉強はしなかった。ただ、地球科学について関連するテレビ番組などを見て地学について知識を獲得した。それが、自由記述の時に役に立った。また、中学校の時の資料集を見たことも参考になった。


Dさん
濃尾平野の構造運動など自分の興味のもったことについて本を読んだ。また、ニュートンの特集を見た。



総論
地学についての知識を持つことが大事です。その手段として、センターレベルの地学を勉強することが挙げられます。その他、映像で学ぶのもありでしょう。
手っ取り早い対策として過去問をやり、添削してもらうことも有効です。

細かい知識が問われる問題は少ないので、提示された問題文をよく読み理解する能力が問われます。その観点から、地学についての本を読み理解することが役に立ちます。


以上、地質科学科小論文についての記事でした。