大分市の概略的な解釈 また論文を読んで勉強する日常 

夏休みなので実家のある大分に帰ってきて,隔離されたところに住んでいる.隔離されていると言っても,それはある種のジョークであって絶海の孤島とか山奥ではなくて,そこが少し郊外で高いところにあるというだけである.

大分県の県庁所在地である大分市は,中心地が海からほど近い標高が低いところにある.そのため大規模な津波が来たらかなりのダメージを受けるだろう。これについては、江戸時代に起きた別府湾での地震により津波が発生し、中心地まで津波が来たという報告があり調査もされている。
大分市またはその近くにはパークプレイスやわさだタウンといった郊外型の大型商業施設があって,中心部の商業施設,例えば商店街とかは寂れている.しかし,その寂れ具合はそこまでひどい物でもなく,特に大分駅を改造して商業施設大分にわさき市場(お土産屋さんや飲食店)を入れたり,改造で空いた、駅に隣接した土地に映画館が入ったビルを建てているなどの努力により中心部への人の回帰は期待できそうである.かつて,日本一閑散とした県庁所在地の駅と俗に言われた理由である,駅の上野側にも文化ホールが建てられ,さらに開発が進むようである.
ジャンプで好評連載中の食戟のソーマ最新話で描かれていた駅中施設によるにぎわいというのは、大分駅においても見られている。同様に、近くの商店街であるガレリア竹町やセントラルポルタなどの顧客を奪っているのかどうかは不明であるが、意外と相乗効果が出ているかもしれない。
駅の前通りにあった大分パルコとSATYがそこそこ前に閉店し、大規模な店が減ってそれと同じくらいの規模の店ができるかどうかは謎であるが、前述のシネコンが入るらしいビルが同じくらいのにぎわいを産むと期待したい。パルコの跡地は病院になった。


実家では、専門である大分県の近くの地質について勉強している。例えば三波川帯と大野川層群との境界である佐志生断層が古中央構造線ではないか、三波川に伴う非変成の堆積岩の存在、朝地変成岩類と大野川層群との関係性、日方ナップの存在。大野川層群のプロビレンスはどこあたりなのか。
などが学んだことである。古領家帯の定義など初めて聞くことが多く、自分の研究に直結するかどうかは不明であるが、読んでいてかなり楽しい論文たちである。
家に居ながらにして、PDF形式でスキャンされた論文がダウンロードして読める幸せに感謝したい。ここまで進歩するとは思えなかった。地質学雑誌もただで読めるとは太っ腹である。地質学論集は学認によるログインなどが必須である。
地質調査月報もかなり昔までPDF化してあるし、地質学雑誌においても手書きの時代の論文もPDFで読むことができる。

日本は、海外のエルゼビアによる論文雑誌の独占と違って、だれでも読むことができる論文が多くて非常に好ましい。なので、自分の大学での研究に関係している論文を卒業した後も読むことができるというのは、自分の知識を強化し、また最新の研究に触れ楽しむことができるので良いことだと感じた。

J-STAGEさまさまである。
けれどPDFにロック書けるのは正直いってやめて欲しい。文献データなどのテキストデータをコピーしてペーストすることができないし、ここ大事とか書込みすることもできない。ロックを解除していいのか分からないし、キーが配布されているわけでもない。でも、改変されることの禁止など多分意味があることだろうと思うので、しょうがないのかなと感じている。しょうがないしょうがない。


地質にしろなんにせよサイエンスというものは読んで情報を蓄えるだけでは意味が無い。新しいことを発見するためにはそこから考え、実験したり調査したりする必要がある。他人のデータだけで仕事をしても、オリジナルではない。


なので積極的に外に出たり実験や分析など活動するということは、論文を読むのと同じくらい大事であると今一度心に刻むのであった。