ラノベ新人賞年齢データの記事で書かなかったこと兼業ラノベ作家，生存率や難易度について

1975年以降のライトノベル作家を対象とした生存曲線です、ご査収ください。
「ライトノベル作家は３年で半数しか残らない」どおりの結果となりました。
　5年生存率は41%(2.5人に1人), 10年生存率は26.2%(4人に1人)です。
※DO=ドロップアウト：２年以上の新刊なし pic.twitter.com/VNzLq1nJUu
— 遠野九重 (@Six315) 2017年4月9日

2004-2014デビュー

昨日提示したデータは2004年から2014年にデビューした作家が対象だけど、結果はあまり変わらず。近年のほうが若干厳しいか…？ pic.twitter.com/GCXUlh4Fc4
— 遠野九重 (@Six315) 2017年4月9日

3年で半数しか商業出版をしなくなる*1．

直線ではなく，はじめは生存率が減る度合いが高いが，だんだん生存率の減少度が小さくなる．歴戦の強者，つまり経験を積めた戦士は長生きするみたいな傾向がある．

最近だと，なろう小説があるので一冊しか出ないで消える作家は減ったのかな (要検証)．

初めの作品が打ち切られてからが本番だということを示しているグラフだ．

・ラノベ作家の生存率は四割以上！？　ラノベ新人賞受賞作家の生存率とその共通項について調べてみた！【前編】 - 島人は小説家になれるのか！？

・ラノベ作家の生存率は四割以上！？　ラノベ新人賞受賞作家の生存率とその共通項について調べてみた！【後編】 - 島人は小説家になれるのか！？

年齢調査の限界

結局応募者の年齢情報の詳細は，主催者しか分からない．何かの形で定量的なデータが公開されることを私は望んでいる．あるいは，すでに公開されていたら教えてほしい．

継続的に行われていて年齢情報が公開されているライトノベル新人賞は，2つしか見つけられなかった．

はじめは4つくらいのレーベルでやる予定だった．データがないので憶測だが，電撃新人賞以外は受賞者の平均年齢は皆若そうである．

新人賞受賞の難易度

ラノベ新人賞の倍率が10倍以上違う件【2016年版】おすすめはこのラノ　 | ストーリーメーカー

電撃大賞は0.13% (2016) ．他の賞も2%以下で極めて難易度が高い．ただ留意事項として大学受験とかとは違って，応募作品ごとの差は大きそうではある．

なかなか作家にはなれないのに，すぐに死ぬという現状がある．

ラノベ作家生存率を上げる方法

WEB漫画サイトの小説版を継続的に出版社が運用していく必要があると考えていて，ザ・スニーカーとかガンガンGAなどが例としてあげられる．もちろんカクヨムでもいい．重要なのはヒット作を出していない作家に対してお金を払って書き続ける場を維持することだと思っている．
— むの (夢ノ千尋) (@muno_chihiro) 2019年1月7日

いきなり書籍化前提で話を進めるのではなくて，一つの可能性として漫画でよく見られる読み切り作品を投稿するための場があったほうがいいと思っている．短編などは商業ベースで投稿する場所はほとんどない．投稿して評価が高かったら，書籍化することもできる．商業で出していた作家さんが投稿サイト経由で書籍化する場合があるが，それの出版社が関与したバージョンが欲しい．

自分で投稿サイトに出して，もしも人気になったら，また来てくださいねというのは薄情すぎると思いませんか．

出版社が絡むとこの作品を書いていた人の投稿作品ですみたいに，過去の実績と結びつけやすいし，それがきっかけ過去作品が読まれることもある．

最近新刊を出していないが今でも投稿サイトで書いている人もたくさんいそうだが，結局認知されにくいという問題がある．なので，ラノベ作家だった，あるいは今もそうである人の活動履歴を集めているサイトが欲しいところである．

新しい取り組みをしていった未来に，書籍イコールライトノベルじゃない時代になる可能性もある．

*1:グラフが0から始まっていないのはなぜ？