漫画アプリみたいな毎日更新されるライトノベルアプリは良さそう

巷ではLINEが投稿サイトとプロ作家作品を扱う事業を始めると話題になっています.

投稿サイトに関しては正直二番煎じで,新しさはまるで感じません.なろうのUIに満足していない人はいますがカクヨムはその点では評価されていて,システムという点ではLINEノベルに目新しさはありません.出版社からの勧誘も大手企業以外は断ればいいでしょうし,それこそ詳しい人を間に挟むこともできます.GAFAのかわりに外資であるLINEの傘下に入っただけですしね.この事自体,出版社がドワンゴを持っているカドカワを除いてIT業界の下位の位置にまで落ちたことの現れです.


①LINEという日本国内7000万DLのインフラメディアで展開するサービスであること

②『LINEマンガ』と同様に、いろんな出版社の人気小説作品が『読めば無料』で読めること

③書き手への還元サービスとして、『有料チケット』制度や『広告レベニューシェア』制度があること

④LINEノベルから生まれた作品を書籍化する場合は、既存の大手出版社と同等の印税率を保証すること

⑤『あたらしい出版のカタチ』で、作家が出版社や編集者を選ぶシステムがあること

note.mu

関係者の三木さん的には上記が売りのポイントみたいです.

ここで面白いと思ったのが2の "『LINEマンガ』と同様に、いろんな出版社の人気小説作品が『読めば無料』で読めること" です.

ライトノベルアプリ

漫画アプリがめちゃくちゃ流行っています.一方でその波にライトノベルは乗り遅れてきたわけです.漫画を一話ずつ切り売りするという発想は,雑誌で連載される事が多かった漫画では当たり前に思いつくものでしたが,一巻という風に単行本形式で売られることが一般的なライトノベルでは馴染みがありませんでした.

ところがなろうを始めとした投稿サイトでは数千字ごとに分割されて連載されてきたという歴史があるわけです.既存のライトノベルと同じ小説というそれほど変わらない存在でありながらこれほど形態が違っています.

LINEノベルが漫画アプリと同等の形式のものだとしたら,なかなかおもしろいことになるかもしれません.最新話無料で,毎日プロ作家の作品が連載されていく.過去の話数を見るためにはポイントを消費し,毎日ポイントが一定数回復する.お金を払ってポイントを獲得することができる.システムはこんな感じでしょうか.

過去のライトノベル作品は,忘れられがちでしたが,連載という形で再び目に触れる機会も出てくるでしょう.

問題は,連載作品が多くなれば今の月に何百冊も出版されるライトノベルやなろうの作品と同様に埋もれてしまうことです.

またLINEの投稿サイトで連載されていた作品をこちらのアプリに持ってくることがあるとどういう扱いにするのかも問題になりそうです.投稿サイトのほうを消してしまうと反感を買いそうです.もしかしたら,こういうことはしないのかもしれません.

分割した小説にお金を出す人がいるのかというところも気になります.なろうでは無料で読めるわけですし大した形式の違いはありません.お気に入りの作家の新作が読めるというので基本無料のサイトから有料の可能性もあるサイトやアプリに来てくれるでしょうか.ラノベを作家買いするひとは少ないという噂もあります.

コアなラノベファンは作家買いをするわけですが,良い作品で評価が高いのに売れなくて打ち切りなるという歴史がライトノベルにはあります.

作者,書き手に魅力があれば注目されるのは確かです.YouTubeで配信をするとめちゃくちゃ人が来るラノベ作家,noteで書いた記事が有料で売れる,有料メールで収益を得ているなどの例がありますが,多くの収益を得ているのは一部の人だけでしょう.

なろうとの違いを出すために挿絵をすべての話数に一枚ずついれるのもありでしょう.漫画の扉絵のようなものです.

ライトノベルアプリはライトノベル業界に新たな収入源を持たらすことになると考えています.作家にとっても連載原稿と書籍化で二重にお金が入るので金銭的には収入が上がるでしょう.各出版社は早急に取り組むべき事業であるといえます.

ところで竹井10日先生も書いてくれるみたいで新作が読めて嬉しいです.

サイトとアプリ

WEBサイトを通して利用するのとスマホやタブレットに最適化されたアプリで読むのでは快適さが違うように感じます.なろうのスマホアプリはでないのでしょうか.カクヨムのアプリはありますが,読めても書けないのでヨムアプリであり,投稿サイトのスマホへの最適化はかなり遅れています.

漫画と小説を一緒に実装するか否か

漫画アプリにラノベアプリをくっつけたほうがいいのかは議論があるかもしれません.漫画と小説が混在すると読者の混乱を誘う可能性があります.

しかし,タブを作って両者を明確に分けることでこれを回避できるでしょう.また,コミカライズから小説へとスムーズに移動することができるので (その逆もまた然り),読む側からするとアプリをまたぐことへの障害を小さくする効果があります.

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